「サブリース住宅原賃貸借標準契約書」とは
「サブリース住宅原賃貸借標準契約書」は、賃貸管理事業者が建物所有者等から建物を転貸目的で賃借し、自らが転貸人となり転借人(入居者)に対して転貸する、いわゆるサブリースにおける原賃貸借契約において、最低限合意されなければならないと考えられる事項について、合理的な内容を持たせるとの観点から、国土交通省により公表されたものです。
なお、国土交通省のウェブサイトにおいて、上記の「サブリース住宅原賃貸借標準契約書」に加えて、その記載要領及びコメント(各条項に関する留意事項等を記載したもの)を参照することができます。
賃借権譲渡及び増改築等に関する承諾書
サブリース住宅原賃貸借標準契約書の第10条第1項では、原賃借人は原賃貸人の書面による承諾を得ることなく目的物件に関する賃借権の譲渡をしてはならない旨が、及び第2項では、原賃借人は原賃貸人の書面による承諾を得ることなく、目的物件の増改築等をしてはならない旨が、それぞれ規定されています。
なお、以下に引用する該当条文において、甲は原賃貸人を、及び乙は原賃借人を、それぞれ意味しています。
上記の各項に規定された原賃貸人の「書面による承諾」を取得するための承諾書についても、以下のとおり国土交通省によりその雛型が公表されています。
サブリース住宅原賃貸借標準契約書の利用方法
国土交通省のコメントにも記載されているとおり、サブリース住宅原賃貸借標準契約書は、最低限の事項を規定した雛型に過ぎず、個別的な事案においては、必要に応じた加筆修正を行うことが求められています。また、弁護士の視点からは、形式面も含めて、必ずしも最良の雛型ではないことにも留意が必要です。
実際にサブリースにおける原賃貸借の契約を締結する際にこのサブリース住宅原賃貸借標準契約書を利用する場合には、あくまでも叩き台程度に利用し、自己の立場及び諸事情を反映させた、より事案に適合した契約を締結することが望ましいでしょう。