「情報システムの信頼性向上に関するガイドライン」
経済産業省は、情報システムの障害による業務・サービスの停止や機能低下の社会的影響が日々深刻化し、システムの信頼性・安全性向上が喫緊の課題となっているとの認識の下に、2006年6月15日付で「情報システムの信頼性向上に関するガイドライン」を公表しています(1)。
なお、経済産業省のウェブサイトにおいて、「情報システムの信頼性向上に関するガイドライン」に関する以下の資料を参照することができます。
- 「情報システムの信頼性向上に関するガイドライン」公表について(PDFファイル)
- 情報システムの信頼性向上に関するガイドライン概要(PDFファイル)
- 情報システムの信頼性向上に関するガイドライン(PDFファイル)
上記の「情報システムの信頼性向上に関するガイドライン」では、「情報システムが本来保持すべき信頼性・安全性を確実に具備させる」という目的を達成するために遵守すべき又は遵守することが望ましい事項の1つとして、情報システム利用者と情報システム供給者との間で締結される契約における重要事項の明確化が掲げられています。
情報システム・モデル取引・契約書−受託開発・保守運用
上記のガイドライン、及び「情報サービス・ソフトウェア産業維新(産業構造審議会情報経済分科会)」(平成18年9月)においてユーザ・ベンダ間の取引関係等の可視化が必要であると提言されていることを受けて、経済産業省は、2007年4月に『「情報システムの信頼性向上のための取引慣行・契約に関する研究会」〜情報システム・モデル取引・契約書〜(受託開発(一部企画を含む)、保守運用)<第一版>』と題する書面を公表しています(2)。
この中では、モデルとするべき契約締結プロセス及び契約書が提示されており、具体的には、次のような契約書等のモデル等を参照することができます。
ソフトウェア開発委託基本モデル契約書
ソフトウェア開発委託基本モデル契約書ドキュメントモデル
仮発注合意書
情報システム保守運用委託基本モデル契約書
個別契約書・仕様書サンプル
提案依頼書(RFP)の詳細
セキュリティ要求仕様書サンプル
提案書(プロポーザル)の詳細
なお、上記の「第一版」では、対等に交渉力のあるユーザ・ベンダ間での契約が想定されており、対象モデルは「ウォーターフォールモデル」とされています。
情報システム・モデル取引・契約書−パッケージ、SaaS/ASP活用、保守・運用
これに対して、ITの専門知識を有しないユーザと、業として情報サービスを提供するベンダとの間で締結されることを想定した契約に関するモデルとして、経済産業省は、2008年4月に『「情報システムの信頼性向上のための取引慣行・契約に関する研究会」〜情報システム・モデル取引・契約書〜(パッケージ、SaaS/ASP 活用、保守・運用)<追補版>』と題する書面を公表しました(3)。
この追補版では、具体的には、次のような契約書等のモデル等を参照することができます。
パッケージソフトウェア利用コンピュータシステム構築委託契約書
重要事項説明書
各種業務関連サンプルドキュメント(4)
各種チェックリスト(5)
なお、追補版では、対象モデルは「ウォーターフォールモデル」ではなく、パッケージ、SaaS及びASPとされています。