契約書の前文の役割
契約書の前文では、通常、契約当事者が表示され、かつそれらの契約当事者が当該契約書に規定された内容のとおりの契約を締結することが明記されます。
また、当該契約書においてどのような合意が規定されるかを明確にするため、可能であれば当該契約書に規定される契約の要旨を簡潔に記載するとよいでしょう。
契約当事者を正確に特定する
契約当事者が契約書の中で最初に言及される箇所は、通常は契約書の前文ですから、ここで契約当事者を正確に特定しなければなりません。法人の場合には「株式会社」「相互会社」「独立行政法人」等を含む正式な商号又は名称を記載し、個人の場合には姓名のフルネームを記載するようにします。
また、ひとつの主体が複数の立場で契約当事者となる場合には、それぞれの立場を記載するようにします(2)。
契約当事者を定義する
契約当事者は、契約書の本文において多く引用されることになります。これらの箇所すべてで正式名称を記載していたのでは、契約書が読みにくくなります。
そこで、契約書の前文において最初に契約当事者を記載する箇所で、契約当事者を簡潔で分かりやすい用語に定義するとよいでしょう。