「契約の内容の変更」の意義
「契約書の内容の変更」とは、既に存在している契約の同一性を失わせずに、その内容を変更することをいいます(印紙税法基本通達第17条第1項)。
これに対して、既存の債務を消滅させて新たな債務を成立させる契約は、新債務と旧債務との間に同一性がなく、「契約の更改」に該当することになります(印紙税法基本通達第16条)。
「契約の内容の補充」の意義
「契約の内容の補充」とは、既に存在している契約の内容として欠けている事項を補充することをいいます(印紙税法基本通達第18条第1項)。
例えば、売買の目的物のみを特定した不動産売買契約について、後日に売買価格を決定し、当該売買価格を証明する目的で作成した文書は、「契約の内容の補充」の事実を証明する文書として、印紙税法上の「契約書」に該当することになります。
「印紙税法上の契約書=課税文書」ではない
上記のように、印紙税法上の「契約書」の意義は、一般的な概念よりも広く定められています。しかし、印紙税法上の「契約書」に該当し、印紙税法別表第一に規定された種類の契約書であるからといって、常に課税文書となるわけではないことに注意が必要です。
例えば、契約の内容の変更又は補充の事実を証明する文書として印紙税法上の「契約書」に該当するとしても、その文書が「重要な事項」の変更又は補充を行うものでない場合には、課税文書に該当しないとされています(印紙税法基本通達第17条、第18条及び別表第2)。